12日の殺人

2024.02.28

情報解禁

物語の中核を担うのは女性?さらに『悪なき殺人』再上映決定!

男性社会に切り込む、フェミニズム的テーマにも注目してほしい『12日の殺人』。

クララの殺人事件を追う主人公ヨアン率いる捜査班は、男性7人という男所帯。さらに容疑をかけられる容疑者らも全員男性。

そんな男性ばかりの本作で女性が担う役割は、行き詰まる捜査に核心を突いていくこと。

被害者・クララは21歳で容姿端麗。まずはクララの男性関係から捜査していくと、彼女と関係を持っていた男たちは、一様にして彼女が「奔放な女性」だったことを示唆する。捜査陣は、間違いなく男性による犯行であると疑いもしない。しかしクララの親友ナニーにクララの男性関係を聞くと「なぜクララが誰と寝たかを知ることがそんなに重要なのか」とヨアンに泣きながら問い詰める。

クララの親友ナニー 

そして事件から時が経ち、迷宮入りしていた捜査を男女関係に正解も間違いもないと諭し、男性による犯行だと疑わないヨアンらの偏った先入観を排した捜査再開を示唆する女性裁判官

女性裁判官ベルトラン 

新たに捜査チームに加わる事となった新人女性捜査官のナディアは、「罪を犯すのも捜査するのもほぼ男性って変ですよね。男の世界ね。」とヨアンに投げかける。

新人女性捜査官ナディア

そんな彼女らの一言一言は、ヨアンと他の男性たちが気づかなかった部分を洗い出していく。まるで事件を解決するかのように―。

ドミニク監督は、「男性による暴力事件を捜査するのはほとんどが男性です。もし殊勝にも映画やドラマで女性の捜査官が活躍している姿が描かれていたとしても現実は、今だに“男社会”なのです。彼ら男性捜査官が自分の娘やパートナー、女性の友人や姉妹が犠牲になった事件を捜査することになったら何を思うだろうか?容疑者を、そして被害者をどう見るだろうか?これらすべての要素が彼らにどのような感情を引き起こすだろうか?映画を観る人がそういった疑問を抱くきっかけになり、いわゆる”実存的不安”を感じてもらえればと思います。」と、物語の中核を女性に担わせ、現実の男社会について観る人が疑問を抱くきっかけとしてほしいという思いを込めていると語っている。

未解決事件を追う刑事たちをリアルに描くだけでなく、現代社会に対するフェミニズム的な問題提起も同時に描く本作をぜひ劇場でご覧ください。

さらに悪なき殺人が再上映決定!

昨年2023年2月24日の本日パリで開催された第48回セザール賞最多受賞を果たした本作がいよいよ来月3月15日(金)の公開に先駆け2019 年東京国際映画祭にて観客賞と最優秀女優賞を受賞したドミニク・モル監督作品『悪なき殺人』が新宿武蔵野館にて3月8日(金)~14日(木)まで『12日の殺人』の公開前に再上映することが決定いたしました!

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