12日の殺人

2024.02.21

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主演バスティアン・ブイヨンについて

『未解決事件にのめり込む役のイメージにピッタリ!』と太鼓判を押された『悪なき殺人』で出演したバスティアン・ブイヨンが主演に!さらに監督が自転車のシーンに込める意味とは

俳優バスティアン・ブイヨンは、フランスで活躍する俳優で、2009 年以来、30 本以上の映画やテレビ作品に出演をしており、父親は舞台監督として活躍している。2023年には本作で、セザール賞有望若手男優賞を受賞している。前作の『悪なき殺人』では純真で明るい憲兵役を務め、今作では事件を追う刑事役で主演を果たすバスティアン・ブイヨンドミニク・モル監督は彼についてこう話す。「バスティアンは私の前作『悪なき殺人』に出演し、純真で明るい憲兵役を演じてくれました。彼との仕事はとても楽しかったのですが、ジルと本作の脚本を書いている段階では、特に彼を意識してはいませんでした。自然体のキャラクターを描きたいので、執筆中は特定の役者のことをあまり考えないようにしているのです。」と『悪なき殺人』の撮影時は、バスティアン・ブイヨンについて彼との仕事が楽しかったと語るも、脚本制作段階では意識しなかったという。そんなドミニク・モル監督は、脚本完成後「ヨアン役のキャスティングをしていた頃、彼を起用する案が浮上したのです。私はその案に惹かれ気持ちが傾き、スクリーンテスト(オーディション)でバスティアン自身が確信させてくれました。優しさ憂鬱な重みの混ざった彼の醸し出す雰囲気と、感受性まなざし話す時のイントネーションなど、全てが役のイメージにピッタリだったのです。ヨアンは口数が少ないけれども物語を動かすことのできる、周囲のキャラクターを受け止めるための容器のような存在なのですが、観る者は彼の中に感情が流れ、それが表情に現れるのを感じ取ることができるという、ユニークなキャラクターです。」ヨアンが事件の真相に迫るにつれ、闇へと飲み込まれていく緊迫感のある演技に注目していただきたい。

ヨアンが自転車で走行するシーンに込めた、監督の思いとは

今作で度々登場する自転車走行シーン。ヨアンは、捜査や生前のクララのことを考えて夜も眠れない日々が続く。いつも沈着冷静なヨアンが、何とか精神の均衡を保てているのは、自転車競技場での自転車走行。しかし日常の緊張感を解放する場所であると同様に、同じ場所を繰り返すだけの出口のない場所でもあった。そんなヨアンが、エンディングでは自然の中で自転車を走らせる。それはヨアンにとって本来の解放感を得て、視野を広げる喜びに満ちていることを想像させるシーンになっている。

監督は「原作では、クララの事件に関わっていない捜査官の一人が競技場のトラックで自転車に乗っていました。その描写に瞬時で惹かれて、映画で使いたいと思ったのです。グルノーブルの近くのエイバンにある競技場で撮影したのですが、非常に絵になる場所でした。特に夜は美しかったです。自転車で競技場のトラックを走るのは道を走るのより難しく、バスティアンは急カーブのコーナーを回る特訓をしてから撮影に臨みました。彼は完璧にマスターしていましたが、何周も走り続ける長いシーンを撮るのは、肉体的に非常にきつかったと思います。」と語る。映画の冒頭から登場する圧巻な自転車競技場シーンに目が離せないに違いない。

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